12系は、臨時列車に使用されていた旧形客車を置き換えるために、大阪万博を目前に控えた1969年に登場した。
車体長の延長によるシートピッチ拡大やクーラーの設置により、従来からの座席客車のイメージを一新したほか、客車としては初めて、自動ドアや電動側面行き先表示器などを採用している。これらの電源は、スハフ12形の床下に設置したディーゼル発電機でまかなっており、12系の最大の特徴になっている。サービス電源を編成内部でまかなうため、牽引する機関車を選ばないなどの利点がある。
これらの利点を生かし、ジョイフルトレインにも改造された。客車列車がほとんど運転されなくなった今、残る12系の多くは、ジョイフルトレインや何らかの特別な列車に使用される編成になっている。
ちなみに、スハフ12形の電源供給能力は自車を含めて6両まで。スハフ12+オハ12×4+オハフ13できれいな編成が組めるが、両端にスハフ12形を用いて余裕を持たせている場合が多い。そのため現在、オハフ13形はJR西日本に2両残っているだけだったりする。