681系は、JR西日本が北陸本線の485系の置き換え、到達時分短縮を目的に開発した車両で、1992年8月に9連の先行試作車が落成した。最高速度160km/hを目指し、流線形の先頭形状やVVVF制御の大出力モーター、さらには通常、新幹線に使用するキャリパ式ディスクブレーキをM車に装備。湖西線などで様々なテストが行われ、同年12月からは臨時の<雷鳥>に充当、旅客デビューを果たした。
その後、1995年、満を持しての量産車登場。9連だった試作編成に対し、こちらは基本6連+付属3連で分割できるように変更され、基本はT01〜T08編成の8本、付属はT11〜T19編成の9本が製造された。登場後しばらくは<スーパー雷鳥(サンダーバード)>の愛称で運転、後に<サンダーバード>となった。
1997年、ほくほく線の開業に伴い、特急<はくたか>が運転を開始した。この<はくたか>に、JR西日本は<サンダーバード>の681系T編成から最新の編成(T07・08・18・19)を抜き出し、機密構造の強化や保安装置(ATS-P)の整備を施した上で、W01・02・11・12編成として充当。さらに、ほくほく線を管理する北越急行は、2000番台のN01・02・11・12編成を新製。これが681系最後の増備となった。W編成には「ホワイトウィング」、N編成には「スノーラビット」の愛称を付け、T編成「サンダーバード」と区別している。
2001年、後継として160km/h非対応(準備工事)の683系が登場、<サンダーバード>用に増備されると、<はくたか>の増発、485系置き換えを目的に、T04・05・14・16編成が気密強化や保安装置設置などの改造を受けた上で、<はくたか>用のW03・04・13・14編成となった。残ったT編成内では、バリアフリーなど車内設備を683系に合わせる改造を受け、番台変更や一部車両の入れ替えが行われた。
さらに、9両固定で運用に制約のあった試作編成には分割改造を実施。中間車2両を他編成の貫通形先頭車と同じ形態に改造、6+3連とし、基本編成がT07、付属がT18編成となっている。他にも連結位置の変更などを行い、1000番台として区分された。
そして現在、T編成は683系T・R編成とほぼ共通で特急<サンダーバード>に運用されて、北陸と大阪を結ぶ。一方のW・N編成は、新たに683系初の160km/h対応車、8000番台のN03・13編成を仲間に加えた。特急<はくたか>として、ほくほく線で在来線最速の160km/h運転を行い、上越新幹線との連携によって北陸と東京を短時間で結んでいる。