紀勢線特急の増発・スピードアップを目的として1996年に登場した。イルカをモチーフとした先頭部分にオーシャングリーンの鮮やかな塗色が特徴で、落ち着いた雰囲気の車両が多いJR西日本車の中では珍しく、南紀白浜へのリゾート特急らしい華やかさがある。
同線で特急<くろしお>に使用されている381系の後継にあたり、JR西日本の新製車としては初となる制御付き自然振り子を採用している。海岸線に沿って急曲線が連続する和歌山−新宮間では、この制御付き振り子を駆使して曲線を本則+35km/h(最大)で走行する。
さらに、走行機器は223系1000番台のものをベースとしており、最高速度は130km/h。紀勢線区間の曲線通過速度向上とあわせ、381系の<スーパーくろしお>に比べ、<オーシャンアロー>は全区間で約20分の時間短縮を実現している。
しかしながら、あくまで381系の補充用であるため、基本6連・付属3連をそれぞれ2編成ずつの製造に留められている。そのため、283系製造に際して381系に廃車は出ていない。系列合計18両は、JR東海の<あさぎり>用371系(7両)に継いで少ない車両数となっている。