213系は、1988年4月10日に開業となる瀬戸大橋を渡り、本州と四国を結ぶ快速<マリンライナー>用の車両として誕生した。瀬戸大橋開業を1年後に控えた1987年3月に3両編成8本が導入。これは民営化の直前でもあり、213系は国鉄最後の新系列となった。
車体や性能は基本的に211系を踏襲しているが、車内設備は117系に近く、片側2扉で室内には転換クロスシートが並ぶ。また、長編成で運用される211系とは異なり、3両などの短い編成が基本単位となる213系では、電動車比率を低くするため1M方式となっている。
民営化を経てJR西日本が引き継いだ後も増備が続けられ、新形式となるパノラマグリーン車クロ212形を含めた15両(うち2両は211系)が新たに加わった。引き続き専用車として<マリンライナー>に運用されていたが、2003年に後継となる5000系・223系5000番台が登場し、同列車から外れることになった。現在は一部車両が先頭車化・ワンマン化改造を受けて、岡山周辺地区の普通列車に充当されているほか、クロ212-1とサハ213-1は改造のうえ223系のクモヤ223-9001と編成を組み、在来線試験車<U@tech>として各種試験を行っている。
また、国鉄からの引き継ぎがなかったJR東海でも、165系の置き換えを目的として2連14本が新製された。0番台を基本としながら、クーラーやパンタグラフの変更など、走行線区の条件や会社の思想に則ったアレンジが加えられたため、5000番台があてられている。